2006/03/25 高橋知事は、再選公約で、道民の判断を問うべきだ。

◆理念が不明確である。
昨年末から、大きな課題として浮上してきた道州制特区推進法案の取り扱いは、予断を許さない。
だからこそ、高橋知事も右往左往している。
政府・与党内部は、法案の策定過程を明らかにしないまま、しかも策定の責任も所在もあいまいで、北海道の開発業務の見直しばかりが強調される法案内容と言われている。
時あたかも、政府は、同時に、北海道開発業務を縮小見直し項目に特定した行政改革推進法案の策定、提案作業が進められ、特区推進法案は、北海道が、新しい自治のかたちとして、地方分権推進のために、道州制の検討に取り組んできたことを都合良く利用して、道内における国家公務員のリストラに拍車をかける法案をめざしている。
こうした政府・与党の意図が明白であるからこそ、昨年12月、第四回定例会で、自民党などの会派が提出した「特区推進法案に関する意見書」採択に際して、私達の会派は反対した。
知事は、今議会の会期中、再三上京したが、北海道側の要望の実現など、法案の具体像を何ら明らかにできないままで、第一回定例会が閉会した。

◆道民は蚊帳の外!
北海道のみを対象にした法律でありながら、道民の意向反映、意志集約のどころか、道議会の論議すらできない状況であった。
道州制特区推進法案は、その目的であるはずの地方分権改革の推進とは、まったく懸け離れた、国の行政改革を推進するための法案にすり替えられようとしている。
北海道のみを対象とする法案が、提案される直前の道議会においてすら、この論議が十分に行えなかったのは、異常な事態である。
これまで、北海道が取り組んできた論議経過を無視し、道や道民が意見を申し述べる機会すら確保されない仕組みは、大問題である。

◆思いつきの「道州制特区」構想
高橋知事の選挙公約には、道州制に関する記述は、わずかばかりである。
富山県、経済産業省出身の知事自身の中に、新しい北海道の自治のかたちに関する「道州制」のイメージ、ビジョンがあるのか疑問である。
そもそも、一昨年夏に、「道州制特区」構想が、自民党の政権公約に急浮上して以降、知事は、自民党から背中を押されて、闇雲に突き進んできたが、その間、道民理解を得る努力は、知事はもちろん、国も、道も、まったくと言って良いほど欠落してきた。
自民党内での論議も、道選出国会議員は、開発予算の恩恵と権益を守るための発想を起点に、単に国道と河川管理の移譲と財源特例延長の是非の議論に陥っており、これでは、本来の道州制議論とはほど遠い。
北海道開発事業の縮減を、その根拠である北海道開発法の取り扱いにふれないで、特区推進法で、行おうとしているに過ぎない。

◆手続き、順番が逆さまだ!
特区推進法案の狙いを、見て見ぬふりをする知事と、その知事に追従する道側の責任は重い。
北海道のあるべき将来の姿を、しっかりと議論し、その中で、具体的な道州制実現の手順を推し進めることこそが本来のあり方であるにもかかわらず、実態は、それと全くかけ離れた、単なるリストラ推進法になる。
道議会で議論ができないのだから、ましてや道民には、まったく中味が見えない。
議会最終盤、今頃になって、知事は、「北海道の目指す地域主権型社会のモデル構想を、18年度中をめどに策定、これに向けて広く道民と議論する」との方針を打ち出した。
道民世論の背景、全国自治体の理解がない中からこそ、孤立した状況に追い込まれたことを、やっと認識したと見られるが、手順がまったく逆でしかない。
北海道における自治のすがたについては、道州制(道州制特区)、市町村合併、道から市町村への事務・権限の移譲、支庁制度改革が、ばらばらに、相互連携のないままで、進められ、しかも、市町村との協議、道民との合意が行われていないことを、かねてから指摘し、今定例会でも論議した。
北海道特例の存続、交付金の問題など、国との約束如何によって、道州制特区推進法案にオーダーを出しても、それらの条件、国と地方の約束事が、その時々の政府と与党に、守られる保証がないばかりか、過去の様々な事例では、裏切られているではないか。
国の地方財政の切り詰め、道の「財政立て直しプラン」路線下では、地方分権の理念ではなく、いずれも、財政縮減の圧迫の方が前面に出た取り組みになり、地域には不安や不満が広がっている。

◆高橋知事は、自身の再選公約で、道民の判断を問うべきだ!
高橋知事とその周辺は、来春の知事選に向けて、「道州制特区推進法」成立を手柄にして、選挙戦、政治の具に利用しようとしているが、北海道の将来に重要な問題だけに、道民無視、市町村軽視の粗略な対応、拙速な結論は避けるべきである。
政府・自民党が画策している「道州制特区推進法」が、真の道州制実現に向けた一里塚になるという自信があるのであれば、高橋知事は、自身の再選を掛けて、知事選の争点にして、道民意思を確認し、道民の判断を得て、推進すべきである。
北海道の将来、あるべき自治のかたちを左右する歴史的な転換期だからこそ、立ち止まり、道民の意思、判断を仰ぐ時間を惜しんではいけない。
「試される北海道知事○○○○」それだけの度量と勇気があります?