2005/12/09

第四回定例道議会報告

2005年12月9日    
道議会民主党・道民連合議員会
幹事長  沢 岡 信 広

 第四回定例道議会は、11月25日(金)に招集され、17年度道補正予算案、道循環資源利用促進税条例案、「米国産等の牛肉の輸入再開に関する意見書」、「建設業等の経営基盤の安定および季節労働者の雇用と生活の安定を求める意見書」などを可決し、12月9日(金)に閉会した。

 


―会派控室の幹事長席―

 

 わが会派は、代表格質問に蝦名清悦(札幌市北区)議員が立ち、道財政問題、行政改革、道警の不正会計処理・裏金問題などについて質疑を行った。
また、一般質問には福原賢孝(檜山支庁)、沖田龍児(苫小牧市)、須田靖子(札幌市手稲区)の3議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について、道の取り組みを質した。

 

―全国都道府県議会議長会在職10年表彰状―

 

1 主な審議経過について

 今定例会では、新年度の予算編成期を控えて、急迫する道財政への対処のあり方が、大きな焦点になった。国は「小さな政府」、道は「コンパクト・ガバメント(コンパクトな道庁)」と述べているが、国は地方自治体に、道は道民や市町村に、財政再建の責任を一方的に転嫁するような動きが相次いでいる。

 道が策定作業の過程にある、「新たな行財政改革の取組み」の案においても、負担の転嫁、とりわけ弱者へのしわ寄せ施策が数多く盛り込まれている。

 地方の財政危機を招いた主因は、バブル崩壊以降の地方を総動員した国の経済政策の失敗であるにもかかわらず、その国との真っ正面からの議論を避けている知事の姿勢が、ますますあらわになった。

 地方分権についても、国の対応も、道の対応も、その目的は、地方財源削減に絞り込まれつつある。地方自治のすがた、地域のあるべきすがたを、棚上げにする議論は、地方自治の衰弱・地域の疲弊を、ますます加速させる懸念がある。

 国、都道府県(道州)、市町村の役割分担、権限・税財源のあり方を描く「北海道の自治のすがた」の構築を求める論議を展開したが、道の答弁は、国の様子眺め、道庁内においては、連携に欠ける、縦割りの対応のままであることが、浮き彫りになった。

 また、補正予算案は、一般会計で48億900万円の増額。当面するアスベストの道有施設での除去費などのアスベスト対策関連経費8億円、端境期対策の道単独投資事業費(ゼロ道債)23億円などが盛り込まれた。

 この補正によって、17年度の道予算は、一般会計2兆9545億3800万円、特別会計6040億3200万円の合計3兆5585億7千万円となった。

 

 

2 採択された決議・意見書
    (◎は政審発議、○は委員会発議、●は自民会派発議、◇は公明発議)

◎医療制度改革に関する意見書
◎次世代育成支援施策・保育施策の推進にかかわる国の予算の拡充を求める意見書
◎建設業等の経営基盤の安定および季節労働者の雇用と生活の安定を求める意見書
◎米国産等の牛肉の輸入再開に関する意見書
◎耐震構造設計偽造問題の原因究明と再発防止のための制度改善を求める意見書
◎軽油引取税について暫定税率増税分7円80銭の撤廃を求める意見書
◎私立専修学校に対する財源措置に関する意見書
◎在日米軍再編に係る米空軍嘉手納基地所属F15戦闘機の訓練の移転に関する意見書
◎改造エアガン対策の強化を求める意見書
○農業分野の規制改革に対する意見書
○森林の違法伐採問題への取り組み強化を求める意見書
●北海道道州制特区推進法の早期制定を求める意見書
◇「事業仕分け・見直し」による「小さくて効率的な政府」の実現を求める意見書
*会派は、「北海道警察の不正会計処理問題調査特別委員会設置に関する決議」を
 提案したが、自民会派、公明会派の反対で、否決された。

 

 

3 委員会における主な質疑

(1)常任委員会・特別委員会(05年11月〜12月)

○総務委員会では、私(沢岡信広―北広島市)が、11月1日に平成17年職員の給与等に関する報告及び給与改定に関する勧告につて、倶知安署前会計職員公金横領疑惑と道警裏金の関連について、11月24日に、行政改革大綱(案)及び財政立て直しプラン見直し(案)新たな行財政改革の取組(案)について、警察職員の不祥事について質疑。

○総合企画委員会では、段坂繁美(札幌市中央区)議員が、11月1日に、「最近の経済動向」及び「企業経営者意識調査結果」について、11月24日に、地域生活経済圏の形成状況調査実施の考え方について質疑。

○環境生活委員会では、三井あき子(旭川市)議員が11月1日に、アスベスト対策について、平出陽子(函館市)議員が12月8日に、北海道配偶者暴力防止基本計画(仮称)の策定について質疑。

○保健福祉委員会では、林大紀(札幌市南区)議員が11月1日に、道立障害児・者施設の見直しについて、岡田篤(釧路支庁)議員が11月24日に、新型インフルエンザ対策について質疑。

○経済委員会では、池田隆一(小樽市)議員が11月1日に、「北海道卸売市場整備計画」(案)について質疑。

○農政委員会では、保村啓二(網走支庁)議員が11月1日に、「食料・農業・農村基本計画」に基づく新たな施策の概要等について、北準一(空知支庁)議員が11月1日に、「食料・農業・農村基本計画」に基づく新たな施策の概要等について、11月24日に、米穀等の用途拡大・開発について質疑。

○建設委員会では、田村龍治(胆振支庁)議員が11月1日に、建築士事務所における管理建築士の名義借りについて、11月24日に、平成17年度「当別ダム建設事業」に係る公共事業再評価の審議経過及び結果について、12月8日に、構造計算書の偽造問題への対応について、沖田龍児(苫小牧市)議員が12月8日に、構造計算書の偽造問題への対応について質疑。

○水産林務委員会では、鰹谷忠(網走市)議員が11月24日に、第58回全国植樹祭の準備状況について質疑

○産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会では、星野高志(札幌市東区)議員が11月2日に、泊発電所に係る安全協定に基づく事前協議の申し入れについて質疑。

○道州制問題等調査特別委員会では、滝口信喜(室蘭市)議員が11月24日に、支庁制度改革について、池本柳次(十勝支庁)議員が12月8日に、道州制問題について質疑。

○食と観光対策特別委員会では、保村啓二(網走支庁)議員が11月2日に、米国産牛肉の輸入再開に係る情勢について、西田昭紘(釧路市)議員が11月2日に、北海道アウトドア資格制度について質疑。

 

(2)第四回定例会予算特別委員会

 第四回定例会予算特別委員会(西田昭紘委員長)は、12月5日〜7日に開かれ、
第1分科会(池本柳次委員長)で、私(沢岡信広―北広島市)が、道警裏金問題と倶知安署・函館中央署の横領・詐欺事件への道警本部の対応について、勝部賢志(江別市)議員が障害者自立支援法について、佐野法充(札幌市豊平区)議員が、道警裏金問題と倶知安署・函館中央署の横領・詐欺事件への知事の対応について、水需要計画と事業政策評価について、道州制と社会資本整備について、政策の総合調整と政策評価について、公共事業の政策評価のあり方と財源見通しについて、鈴木泰行(札幌市白石区)議員が道債発行について、公債償還問題について、財政悪化の責任について、給与縮減について、財政削減について、

 第2分科会で、北準一(空知支庁)議員が河川整備について、新たな食料・農村・農業基本計画について、花き生産について、ソフトランディングなど経済活動の推進について、三津丈夫(帯広市)議員が公共事業の点検と対応について、道営競馬の運営見通しについて、蝦名清悦(札幌市北区)議員が水産業・林業の普及事業について、田村龍治(胆振支庁)議員が、第3期農業農村振興推進計画等について、農業試験場の研究及び農業改良普及センターのあり方について、池田隆一(小樽市)議員が義務教育費国庫負担制度について、教職員の採用や人事について、それぞれ質疑した。

 総括質疑では、佐野議員が道警裏金問題について、公共事業と政策評価のあり方について、鈴木議員が財政再建問題について知事に質した。

<附帯意見>
1.赤字再建団体への転落を回避し、持続可能な行財政構造の確立を図るための「新たな  行財政改革の取組み」の策定に当たっては、中長期の収支見通しを示した上で、道財政立て直しや経済再建への道筋を明らかにするとともに、政策評価の充実による徹底した事務事業の見直しとあわせて、改革工程表に具体の目標を明示し、行財政改革を推進すること。

1.耐震強度の偽造問題について、道民の間にも不安が広まっており、道としても検査体制や相談窓口の整備など再発防止に向けて的確な措置を講ずること。

1.道警の前渡資金担当会計職員が業務上横領容疑で逮捕されたことは、誠に遺憾でる。道警の組織体制、会計システムを点検するとともに、内部牽制や財務検査の強化など再発防止の徹底を図ること。

 

 

4 当面する課題と会派の対応

(1)財政問題、新たな行政改革大綱について

 道は、4月に、知事を本部長として設置した「行財政構造改革推進本部」で、新たな道行政構造改革大綱の策定と、「道財政立て直しプラン」の見直し作業を進めている。

 4定に向けて、「新たな行財政改革の取組み」の案が提示されたが、道財政立て直しプランの見直し、改革の取り組みともに、具体的な数値目標などは、議会後に持ち越され、新年度予算編成過程で、どう盛り込まれていくかが焦点になっていく。

 国、地方とも膨大な借金を抱え込み、財政再建が急務であるとの認識は、共有しても、国が地方や国民に、そして道が市町村や道民に、一方的に「痛み」を押し付けるような今の進め方は、大きな問題である。

 道は、赤字再建団体転落回避のため、18〜19年度の2年間で、17年度道予算の一般財源20%に相当する1,800億円を歳出削減努力で捻出するとしているが、この財源不足額は、国の地方財政対策の推移などによって、揺らぎかねない。

 新たな行政改革大綱は、道財政の厳しさを背景に、「コスト構造改革の推進」を基本にするもので、今年度から18年度までの10年間という長期間の道の行財政運営を、「縮減・削減・住民負担増一辺倒」で、縛っていくものになる可能性が強い。

 全職員を対象に給与10%、期末手当15%を2年間カットという、独自縮減策が提案されたが、収支見通しは、悪化の一途をたどっており、行政改革大綱は、その立て直しのための、「聖域なき」コストカットの加速が懸念される。

 わが会派は、今定例会でも、施策・予算の見直しにあたっては、「抑制するもの、維持するもの、増額するものの優先順位がおのずと付されるべきであり、道民の健康や暮らし、セーフティネットに関わるものは、強化すべき」と主張したが、道側は、削減一辺倒の姿勢を崩さなかったものの、一部の公共事業等での、政策評価の不徹底などの面も表面化した。

 保健医療対策、アスベスト対策、耐震化対策と国が地方負担を求める施策が目白押し。19年度から実施見込みになった、農業での環境等での直接支払い政策についても、道が今年度、道負担を当初予算額内に抑える方針になった中山間地直接支払いと同様の負担割合が用いられるとされるなど、なおも地方負担の増加が予測されている。

 道は、市町村や道民と手を携えて、国と論議していくことが求められている。痛み・負担を強いることになる、道民や市町村との合意形成の重要性などを求めて、前提に論議を重ねていく。

 

(2)「北海道における自治のすがた」について

 地方分権をめぐっての、道の取り組みは、道州制や「三位一体改革」、市町村合併、支庁改革や市町村への事務権限移譲を含む道庁組織自体の改革、そして、地域のすがたに密接に関わる福祉医療や地域交通、高校の適正配置などの教育といった課題について、完全な縦割り、相互連携が不十分なまま進んでいる実態にある。

 地方分権は、「地域のことは地域で決められる、それぞれの地域がもっている個性や、本来の能力を発揮するためには、全国一律の押しつけではなく、地域自らの判断で決定すること」であるとして、2004年の、地方分権一括法などの、地方分権に向けた歩みを重ねられてきたが、最近の国や道の動きは、財政危機のツケ回しを、行うために、地方分権の趣旨を、つまみ食いするような進め方になっている。

 会派は、国・都道府県(道州)・市町村の役割分担、権限・税財源のあり方を明確にする「北海道の自治のすがた」を道民や市町村と手を携えて構築し、取り組むよう主張してきた。

 4定では、市町村合併の推進方策のあり方、支庁や出先機関のあり方、道州制への取り組みなどが論議された。道が策定中の市町村合併構想については、広域行政の意義を認める文言の付加などの進展はあったが、組み合わせの具体像などは、示されないままの論議に終始した。 また、会期末には、自民会派から、道州制特区を推進させるために、「北海道道州制特区推進法」の早期制定を求める意見書案が提案された。

 現在の道の道州制特区への取り組みは、自民党の政権公約に、定義も明らかにされないまま、盛り込まれたことではじまったことから混乱し、その後の、国との協議も、「道州制北海道モデル事業推進費」の対応も、道州制を向けてと道が言う市町村への事務・権限移譲も、効果は、あがっていない現状にある。

 道州制議論が遅々として進まない中で、国の経済財政諮問会議において、公務員の削減対象の例示に、北海道開発が掲げられ、北海道開発局の取り扱いが、政府の国家公務員削減の、検討の、そ上に、乗せられようとしていること一つを見ても、推進法案の前途が、危ぶまれるものだ。

 意見書案には、先に出された知事会道州制特別委員会のアピール内容が盛られたが、これが担保されるという、見極めすら持てない中での、拙速な推進法案を求める意見書には、会派は反対した。

 

(3)道警不正会計処理・裏金問題について

 道警における不正会計処理・裏金問題は、一昨年11月、旭川中央署における捜査協力者の氏名無断使用に端を発して以来、ちょうど2年を経過した。

 道警は、当初は、全ての疑惑を否定、知らぬ存ぜぬと押し通そうとしたものの、原田宏二氏や斎藤邦雄氏らが、長年にわたって、警察内部で行われてきた不正経理、裏金づくりの実態の生々しい証言や、徹底した真相解明を求める道民世論によって、組織的な不正経理が長期にわたって、行われたことを認めるに至った。

 しかし、全ての経理において裏金化が行われてきたという内部告発にも関わらず、道警の内部調査は、捜査用報償費、旅費、食糧費、交際費の4費目に限定され、しかも予算枠が大きい旅費での多額の裏金化の疑惑が指摘されているのに、旅費についての不正経理は認めていないなど、内部調査には、大きな疑惑が持たれ続けいる。

 知事が、5月に、この問題の調査に幕を引いた判断の拠り所とされた、道監査委員の確認監査も、この4費目を対象としたが、監査委員自らが、監査の権能の“限界”を明らかにしたのもかかわらず、使途不明金が3億9千万円にも達した。

 こうして、道警が認めざるを得なかった部分に関しても、具体的な裏金づくりのシステムや、その使途は、何ら明らかにはされていない状況だ。不正の構図や実態には言及しないままで、国や道に不正を指摘された額を返納すればいいというのでは、納税者である道民の真相解明を求める声に、まったく背を向ける判断でしかない。

 しかも、10月になって、倶知安署、函館中央署において、会計担当職員による詐欺・横領事件が発覚した。内部調査が行われた時期の犯行であり、内部調査の不十分さを物語るものだ。しかも、4費目以外での不正経理が明らかになったことは、例え一個人の犯行と強弁したところで、道警全体での徹底した不正経理の再調査の必要性がある。

 巨額の公費の支出が、使途不明のまま放置されていること、しかも、それが治安を担い社会正義を守るべき警察組織において生じたことは、どれだけ深刻な問題かを会派はくり返し主張してきた。
警察行政への不信の増幅が、治安に悪影響を及ぼすこと懸念からだし、道が取り組もうとしている財政再建などの、道政執行を考えても、こうした税金の不正使用の実態解明を放置したままでは、道民の理解や協力は得られないと考えるからだ。

 ところが、定例会の議論においても、道警は一貫して、今回の事案は、個人的な犯行との答弁をくり返し、知事もこの道警の姿勢を追認、疑惑の解明に自ら乗り出そうとする姿勢を見せることはなかった。

 定例会冒頭には、「道警不正問題を徹底解明し信頼回復を求める道民の会」が、16万8千筆の署名を付し、知事、議会に、真相の徹底解明を求める、要請・請願が提出された。道政の最高責任者である知事自らが、真相を究明する手段を講じると同時に、議会は、地方自治法100条、98条で定められている権能を最大限に活用、多額の公金、税金の使途不明を解明し、その上での、実効性ある再発防止策を含む、警察組織の再生の論議を求める趣旨。

 会派は、通算7度目となる、100条委員会の設置を求める決議案を提出したが、知事与党の自民・公明の反対によって否決された。

 不正経理操作による裏金づくりは、道警のみならず、全国の警察組織に根深く、幅広く存在する問題であることが、明らかになっている。「ごく一部の不心得な職員の仕業」という、警察トップが描いてきた図式は、崩れつつある。今後も、真相解明・信頼回復を求める道民の声に応えるために、粘り強く取り組んでいく。

 

(4)道の新年度予算編成及び道政執行についての要望・提言について

 会派は、12月9日、高橋知事に、新年度の道予算編成や当面する道政執行に関する要望・提言を提出した。

 


 

2006年度道予算編成及び今後の道政執行について

北海道知事 高橋 はるみ 様

2005年12月9日
北海道議会民主党・道民連合議員会
会 長  段 坂  繁 美

 2006(平成18)年度の、道予算編成及び今後の道政執行に際し、下記の事項について実現を図られるよう、要望・提言します。

1.地方分権の推進、道政改革の推進
(1)地方分権の推進について
 地方分権をめぐる、道の取り組みは、道州制や、「三位一体改革」、市町村合併、支庁改革や市町村への事務権限移譲を含む道庁組織自体の改革、そして、地域のすがたに密接に関わる福祉医療や地域交通、高校の適正配置などの教育といった課題について、完全な縦割り、相互連携が不十分なまま進んでいる実態にある。国・都道府県(道州)・市町村の役割分担、権限・税財源のあり方を明確にする「北海道の自治のすがた」を道民や市町村と手を携えて早急に構築し、取り組むべきである。
 @「道州制」の先行的実現に向けて、道民意思を結集を図りつつ、国に対して権限と財源の大幅移譲を求めること。
 A市町村合併については、国の推し進める画一的、強制的手法によらず、あくまで住民の合意を基本として対処。合併の道を選ばない市町村に対しての支援の仕組みを、道州制をも見据えた広域的な観点及び地域特性に応じた「多様なあり方」を認めつつ構築すること。
 B保健・福祉・医療など道民の暮らしの基本を直接、支える分野は、市町村と道が共同で担っていく手法も検討すること。
 C支庁制度改革は、道州制への取り組み、市町村の多様なあり方との「三位一体」で行うこと。出先機関等の見直しも同様。財政削減の観点のみで行うのではなく、施策効果の発揮の観点で検討すること。

(2)道庁の行財政改革について
 道は、「赤字再建団体転落の崖っぷちに立っている」として策定した「道財政立て直しプラン」の、さらなる見直しを進めるとともに、今年度から10年間を見通す「新しい行財政改革の取組み」の策定を進めているが、「聖域なく選択と集中を進める」としつつ、あらゆる分野での削減を行おうとしている。単に経費節減での「縮小・萎縮するだけの道政」になることを避けるべきである。国が地方自治体に、道が市町村や道民に財政危機のツケを一方的に押し付けることであってはならない。
 @道民や市町村に、痛みや負担を求めようとする以上は、少なくとも、2年間の緊急対策期間後の、道財政の展望を明らかにすること。
 A削減一辺倒ではなく、経済再生、雇用創出を導き出すことや、道民生活への影響を極力抑えるよう取り組むこと。
 B施策・事業の選択等を、道民参加の下で行うシステムを早急に構築すること。特に、大型公共事業等については、情報の公開、政策評価をゼロベースから徹底し、中止や凍結、大幅縮減等の判断を行うこと。
 C関与団体については、抜本的な見直しを行い、道庁職員の天下りを禁止すること。
 D住民の知る権利や参加する権利、行政や議会の情報公開や説明責任、常設の住民投票制度等を規定する「北海道自治基本条例」を制定すること。

(3)国・地方の税財政改革について
国・地方の税財政改革、いわゆる「三位一体改革」は、地方分権の本旨を置き去りにた、
国の財政運営失敗のツケを地方に回すものに止まっている。こうした国の姿勢によって、
道や市町村に財政危機が、もたらされている。国に、以下の事項の実現を求められたい。
 @地方税財源の安定確保に向け、地方への大幅な税財源の移譲を行うこと。
 A地方交付税財源を確保・拡充し、財源調整機能・財源保障機能を堅持すること。
 B地方財政の大きな圧迫要因となっている、地方債償還の軽減・平準化策を講じると。特に、高い金利水準にある政府資金分の借換・繰上償還や金利減免と言った措置を認めること。
 C直轄負担金の縮小・廃止を早急に実現すること。廃止が実現するまでの間は、段階的な縮減や支払い繰り延べなどの措置を講じること。
 D国の各種施策実施に際して、地方負担を伴う措置を行う場合は、地方側との事前協議を適切に行い、その施策の効果が十分に発揮できるよう財源措置を講じること。

2.北海道経済の再生と雇用の安定
 道財政の悪化の大きな要因であり、他都府県と際だって差が生じているのは、道税の確保である。税源のかん養が、立ち遅れてきたからに他ならない。経済構造改革の促進と、雇用の創出・安定確保を図られたい。
 @「食」と「環境」関連産業の振興。
 A移出・輸出促進機能の集約と強化。
 B建設業・関連産業におけるソフトランディング支援。
 C「季節労働者対策に関する取組方針」の確実な実施等による通年雇用化対策の促進。
 Dニート、フリーター対策等の若年者雇用促進。
 E「公契約条例」の制定等による雇用の質の改善。
 F障害者雇用推進に向け、公的発注での雇用率達成企業優遇措置等の検討。
 Gサハリン大陸棚石油・天然ガス開発プロジェクトへの参入促進支援等、サハリンやロシア極東等との経済交流促進。
 H地方空港でのCIQ体制強化。本道の自然環境等を活かし、本物の安らぎを実感できる体験型・滞在型の観光資源づくりの推進。

3.農林水産業の再生
 「食」や「環境」という本道の優位性を強化するために、農林水産業の再生強化への取り組みを急がれたい。
 @道産食品の「安全・安心フードシステム」の推進。遺伝子組換え作物の厳正な規制措置。食品履歴情報(トレーサビリティ)実施食品の拡大。
 A道産米等の道産食品の道内消費拡大、道外売り込み拡大。外食産業や食品加工業と農業・水産業との連携による地域における「食」循環システムの構築。
 B急激かつ大幅な価格下落が続く米について、担い手の経営維持が可能となる実効性の高い経営安定施策の早急な構築。
 C発生原因究明、迅速診断法確立等、牛海綿状脳症(BSE)対策の推進。米国産牛肉の徹底したリスク評価の国への要望。
 D「緑の森のダム」等の森林の多面的機能の支援。道産材利活用、森林バイオマス等の促進。
 E森・川・海を通じた水産資源回復事業の推進。水産資源の持続的利用に向けた管理の徹底。

4.誰もが安心して暮らせる地域づくり
 財政の再建にあたっても、道民生活の「セーフティネット」の確保を、しっかりと進められたい。
<道民生活>
 @道警における不正会計処理・裏金問題については、不正行為の厳格な調査を前提にした返還・処分が行われ、再発防止策が講じられなければならない。予算査定・執行は厳正に行うこと。
 A道警不正会計処理、職員不祥事を鑑みての「行政公益通報条例」の制定。
 B総合的なアスベスト対策の早急な実施。
 C耐震強度偽装問題への適切な対処。市町村や国と連携しての耐震化対策の促進。
 D単独医療費助成制度、特定疾患対策医療費助成制度等の道施策の充実・再構築。
 E地域医療における医師、医療スタッフ確保や遠隔地医療支援の充実。
 F高齢者や通学者等の交通手段確保のための地方バス等の地域交通対策。
<環境・エネルギー>
 Gリサイクル促進、不法投棄防止等の廃棄物対策推進。「循環税」の活用。
 H脱原発をめざし、省エネルギーの促進、水素エネルギー(燃料電池)や天然ガス、バイオマス、風力・太陽光・雪氷などの自然エネルギーの開発・普及の推進。
 I国に対して原子力行政における推進と規制の分離を求め、国および電力会社に情報公開の徹底を要求。原子力防災訓練の改善。
 J幌延町における深地層研究所等、北海道に将来にわたって放射性廃棄物が持ち込まれることがないよう監視体制の整備。
<教育>
 K子どもたちがゆとりをもって学ぶための少人数学級の積極推進等、教育水準の維持向上。
 L私学助成の維持、充実。奨学金制度整備拡充等、就学困難児童生徒への支援強化。
 M障害をもった子どもたちが普通学校に通い、ともに学ぶ「共生教育」の推進。

5.「平和の大地」への取り組み
 @在日米軍再編にあたってのF15戦闘機訓練の新千歳空港移転などへの明確な反対姿勢の継続。
 A米海兵隊の矢臼別演習場での移転訓練については、「規模縮小や夜間訓練中止」、「日米地位協定の見直し」等の地元意向の実施を在日米軍、国に求め、改善が行われなければ受け入れを拒否すること。

以上