2005/10/07

第三回定例道議会報告

2005年10月7日   

議会民主党・道民連合議員会
幹事長  沢 岡 信 広


 第3回定例道議会は、9月13日(火)に招集され、17年度道補正予算案、「アスベスト対策を求める意見書」、「北海道議会の信頼回復に関する決議」などを可決し、10月7日(金)に閉会した。

 わが会派は、私(沢岡信広(北広島市))が立ち、道財政問題、行政改革、道警の不正会計処理問題などについて質疑を行った。また、一般質問には勝部賢志(江別市)、北準一(空知支庁)、保村啓二(網走支庁)、岡田篤(釧路支庁)、斉藤博(函館市)、佐々木恵美子(十勝支庁)、蝦名清悦(札幌市北区)の7議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について、道の取り組みを質した。

  

 

 1 主な審議経過について

 今定例会では、道の財政再建、これに向けての行財政構造改革が大きな焦点になった。

 高橋知事は、道の財政の状況について、「赤字再建団体転落の瀬戸際」との認識をかねて表明しており、今春から、収支見込みと、その対処策を示す「財政立て直しプラン」の見直し、さらに「行政改革大綱」の策定に取り組んでいる。

 しかし、17年度末で5兆6千億円に達する道債償還の重圧の下で、道が描こうとしているのは、巨額の財源不足を「縮減・削減・住民負担一辺倒」で穴埋めしようとするものであることが論議を通じて改めて明らかになった。

 道は、「行政改革大綱」の具体策を、11月末の第4回定例会直前に明らかにするとしており、「財政立て直しプラン」の見直しは、国の地方財政方針などを見極め、12月に確定するとした。

 また、補正予算案は、一般会計が120億4700万円の増額、特別会計が5600万円の減額で、合計は119億9100万円の増額。当面するアスベストの道有施設での除去費などのアスベスト対策関連経費1億円などが盛り込まれた。また、来年度から本格実施される道立施設の指定管理者制度に伴う、道の管理費用の基準額に係る債務負担行為の限度額が設定された。

 この補正によって、17年度の道予算は、一般会計2兆9495億8千万円、特別会計6040億3200万円の合計3兆5536億1200万円となった。
 なお、「北海道議会の信頼回復に関する決議」は、定例会開会前日に、あっせん収賄容疑で自民党道議が逮捕、議員辞職し、さらに会期中に自民党道議が、暴行容疑で逮捕された事態を受けての決議。

 

2 採択された決議・意見書

◎北海道議会の信頼回復に関する決議
◎地方六団体の改革案に基づく三位一体改革の実現を求める意見書
◎アスベスト対策を求める意見書
◎障害者施策の充実を求める意見書
◎悪質住宅リフォーム問題に関する対策強化を求める意見書
◎原油価格高騰に伴う石油類の安定供給の確保と価格の安定を求める意見書
◎がん対策の推進強化を求める意見書
○「食料・農業・農村基本計画」に基づく新たな施策に関する意見書
○17年産米の需給の安定に向けた意見書
○WTO交渉における水産物のIQ制度の堅持を求める意見書
○義務教育費国庫負担制度に関する意見書
○私学助成制度に係る財源措置の充実強化に関する意見書
○北方領土問題等の解決促進に関する意見書

 会派は、「自衛隊のイラクからの撤退を求める意見書」、「個人所得税の各種控除にかかる縮小を
 しないよう求める意見書」を提出したが、自民党会派などの反対で否決された。

 

3 代表質問の要旨

(○は質問者発言、●は答弁者発言)

沢岡 信広(北広島市)

(1)衆議院選挙について
   ○今回の選挙結果に対する知事の評価は。
   ●本道の厳しい経済・雇用情勢や、過疎・離島を抱える中で郵政民営化に対する不安や懸念を感じ
    る道民がいたと考える。
   ○首相は郵政民営化法を修正なしで再提案する意志を示しているが、地域の郵便事業を守るため
    国に何を発信しようとするのか。
   ●民営化の進捗状況に応じ、地域実情に見合った制度設計や運用を図るよう伝える。
   ○道州制、道州制特区への動きが加速すると判断するのか、道の意向を反映させるための取り組み
    は。
   ●地制調や自民党調査会に道の考えが反映されるよう、推進に努める。
   ○選挙応援の選択理由が個人的親しさでは、道政トップの資質として疑義を持たれる。
   ●政権公約や政策理念を考慮しながら、公務最優先を大前提に総合的に判断した。

(2)介護保険指導について
   ○先の元石狩支庁長の実刑判決に続き、斡旋収賄容疑で現職道議が逮捕された。
    介護保険事業に関わる不祥事の続発は、道行政や介護保険への信頼を損ねるものだ。
   ●道民の信頼を回復するため、事業者の実地指導や監査を行なう仕組みづくりを進めるなど万全
    を期す。

(3)「財政建て直しプラン」見直しと新年度予算編成について
   ○削減一辺倒ではなく、道民の健康や暮らしに関わるものは最後の最後にするなど優先順位を付
    すべきと考えるが、「選択と集中」と意味することは同じとの認識でよいか。
   ●道庁の徹底的改革のほか不急事業の休廃止の検討など、より「選択と集中」の視点に立ち見直し
    を行なう。
   ○道債の問題を財政立て直しプランの中でどう位置付けるのか。
   ●新たな道債発行の抑制や構造改革の取り組みで、道債に依存しない財政運営の実現をめざす。
   ○特定重点化枠を廃止し加速連携事業を構築するというが、これまで食・観光・新産業の経済分
    野で何を取り組み、何が不足・欠落しており、どのように強化するのか。
   ●これまで素材の掘り起こしやブランドの基礎作りに取り組んできたが、さらなる磨きかけで北
    海道ブランドの確立に向けた取り組みが必要であり、施策検討にあたり総合的、効果的施策群
    を構築したい。

(4)新行政改革大綱について
   ○方針案は従来の取り組みを並べたものであり具体的目標は一切ない。
    改革工程表はいつ示すのか。
   ●行政改革に向けた推進事項に検討を加え、具体的な取組内容と目標値を盛り込んで、11月下
    旬までに示す。
   ○指定管理者の選定に当たりサービス向上の観点をどのように確保するのか。
   ●選定委員会にて提案内容の十分な審査を行ない、最適の事業者を選定する。
   ○北海道版市場化テストについて、どのような検討をいつまでに行なおうとするのか。
   ●研究会を設置し制度のあり方や対象業務について検討を進めており、法制化の動きを見据えな
    がら実施に向けた枠組みを取りまとめたい。
   ○消費者相談の支庁窓口の拙速な廃止方針は改めるべきだ。
   ●相談体制を道センターに集約・一元化で検討を進めているが、様々な意見があることから適切
    に判断する。

(5)「三位一体改革」への対応について
   ○これまで税源移譲、地方交付税の措置が十分行なわれていないが、最終年である18年度に向
    けた決意、認識は。
   ●本年度が第1期改革の仕上げの年であることから、地方案に沿った改革の実現と19年度以降
    の改革が確実に推進されるよう、地方六団体と一致結束して取り組む。
   ○生活保護費は、国が責任を持つセーフティネットと考えるが、見通し・対処方針は。
   ●国庫負担率引き下げは断じて容認できないものであり、断固反対する。
   ○国庫補助負担金の交付金化は、三位一体改革に名を借りた補助金の削減であり、道・市町村に
    与える影響は甚大だ。
   ●国の財政再建を理由とする地方への負担転嫁がされないよう、国に強く主張する。

(6)公共事業見直しについて
   ○財政立て直しプラン見直し方針案で、公共事業費15%、投資単独事業費25%程度の削減目
    標数値が設定されているが、公共事業投資規模についての見解は。
   ●一定程度の縮減は避けられないが、公共事業は北海道の発展に欠かせないものであり、財政負
    担可能な範囲内で重点化・効率化を図り必要な事業を確保する。
   ○事業の重点化に当たっては、事業の優先順位、事業ごと投資額の年次推移を道民に示し、今後
    の議論を道民とともに進めるべきだ。
   ●少子高齢化への対応や環境重視、観光振興の基盤整備を優先するとした重点化プランを策定し
    ており、事業の推進に当たっては地域連携会議の開催で地域実情や意向を踏まえている。

(7)行政基本条例見直しについて
   ○制定時の議論から、自治基本条例に向けたステップアップがなされるべきと考えるが、認識と
    具体的な見直し作業の考え方は。
   ●10月には社会経済情勢の変化や制度・仕組みについて検証作業に着手すると考えており、結
    果に基づいて必要な措置を検討する。

(8)市町村合併について
   ○道の言う、審議会に求める「組み合わせの基本的な考え方」とは何か。
   ●基礎自治体の望ましい規模や地理的条件、旧法の経緯など配慮すべき事項、組み合わせを作成
    するための手法を想定しており、審議会議論のほか市町村の意見も聞き示したい。
   ○市町村長には、構想策定に踏み込む道の姿勢を、強制力の発揮につながるとの懸念がある。
    勧告・斡旋・調停の扱い方の判断を審議会に委ねるのか。
   ●新法での道の役割として、助言や情報提供、合併協議会の設置勧告や自主的合併の必要な措置
    を示すこととされており、審議会や市町村の意見を十分聞き検討する。

(9)市町村への事務・権限移譲について
   ○全道市町村・広域連合82団体から移譲要望が出されたが、どう評価しているのか。
   ●全道の4割から幅広い分野にわたり936件の要望があったことは、市町村が住民サービスの
    中心的役割を果たすことへの積極的な意欲の現れと受け止める。
   ○移譲に当たっての財源や人材についての要望と対処方針は。
   ●財政的措置や道職員の派遣要望があり、交付金額や派遣見込みについて具体的協議を進め、整
    ったものから事務・権限を委譲したい。

(10)アスベスト対策について
   ○道は対策本部を設置したが、道庁以外の行政機関、医療や研究機関、経済団体や労働団体を含
    めた体制を早急に構築すべきだ。
   ●関係団体との情報交換を積極的に行うなど、一層連携を密にし必要な取組みを進める。
   ○国に総合的対策法制定を求めるとともに、道としても条例制定すべきだ。
   ●全国的な問題であり総合的には国が対処すべきと考えており、国の動向を見守りながら国への
    要望や道の実施すべき対策に取り組む。
   ○国が所有する関連情報の速やかな開示を求めるべきであり、道は関連事業所・元事業所や民間
    所有建築物への立入調査、所在情報の調査・公表を実施すべきだ。
   ●過去の製造工場への立入検査の結果問題はなく、廃鉱石堆積の事業所の調査結果は大気汚染防
    止法の基準以下であった。
    民間建築物はアンケート調査・聞き取り調査で詳細把握に努めており、建材などの所在情報の
    国の速やかな開示を求めている。
   ○取り組みの第一歩として死因追跡調査を実施してはどうか。
   ●厚労省が遺族へのアンケートやカルテ、病理標本調査で実態を把握、今年度中に結果をまとめ
    るとしており、この調査で北海道の実態が把握されると承知している。
   ○除去するためには個人所有建築物や自営業者、中小零細企業や市町村への技術的・財政的支援
    も必要だが、道の対処策は。
   ●支庁毎の対策連携会議や関係団体との情報交換などで意向を把握しながら、できるだけ早期に
    国に要望する。
   ○解体・補修時の飛散防止のため大気汚染防止法に基づく対象規模面積要件は撤廃すべきと考え
    るが所見は。
    道は解体等作業時の監視機能強化にどう取り組むのか。
   ●国は来年2月までに規模要件を撤廃する方針。
    現在、監視強化のため大気汚染防止法に基づく届出があった全てに立入検査を実施している。
   ○特別管理廃棄物である廃石綿等の処理状況と、含有建材等の廃棄処理の把握状況は。
    今後、処理量の増大が見込まれるが、適正処理処分場は確保されるのか。
   ●管理型処分場8箇所全てに立入、適正処分を確認しており、含有建材については国の指針に基
    づき排出・処理業者への立入等、処理状況の確認をする。
    適正処分場は十分確保されており、支障をきたすことはない。

(11)雇用対策について
   ○雇用創出プランの目標は達成したというが道民実感との乖離は大きい。
    若年者雇用の改善が急務だ。
   ●若年者の雇用対策は重要課題であり、今後も産業界や労働局、道教委等との連携を強化しなが
    ら全力で取り組む。

(12)新たな食料・農業・農村基本計画について
   ○品目横断的な経営所得安定策の対象となる担い手についての認識は。
   ●専業的農家中心の体質の強い農業経営の確立が大事であり、認定農業者など主業的経営体を基
    本として、実態によっては集落営農組織の育成が必要と考える。
   ○規模要件設定に当たっては、地域自らが地域実情を踏まえた弾力的設定が可能となるよう国に
    強く求めるべきだ。
   ●引き続き、地域実情が十分反映されるよう農業団体と連携しながら国に働きかける。
   ○意欲ある農業者が経営に専念できるよう、最低所得補償の仕組み導入を国に提案すべきだ。
   ●現行の担い手経営安定対策はセーフティネットとして機能しなかったことから、検証のうえ実
    効性ある次期経営安定対策となるよう国に提案する。

(13)北海道米の消費拡大について
   ○販売拡大に向けたこれまでの取り組みは。
    豊作である今年を道内食率向上の絶好の機会と捉え、知事自らが先頭に立ってPRに取り組む
    べきだ。
   ●これまで戦略会議会員がキャラバンを組み、消費者団体や商工会議所、旅館組合などに直接出
    向いてのPRを実施しており、今年はCMに出演・直接消費拡大をアピールするほか、機会あ
    る毎にPR・食率向上を図る。

(14)中山間地域等直接支払制度について
   ○市町村要望を積み上げると当初予算を超えたが、財政の厳しさを理由に当初予算を上限とする
    道の主張は市町村や協定参加農業者との信頼を損なうものであり、当然予算措置すべきだ。
   ●実施にあたっては地域事情を十分把握し、財政事情を勘案しながら対象農用地の重点化や耕作
    放棄地の防止など、制度がめざす趣旨が達成されるよう取り組む。

(15)道営競馬について
   ○本年度の開催状況と収支見通し、売上伸び悩みの要因とその対応は。
   ●例年にない寒さや大雪による調教遅れで予定レースが組めないなど、札幌開催の発売額が計画
    比85.1%と厳しい状況が続いていることから、ネット発売導入やミニ場外の開設などで回
    復・拡大に努力してる。収支は現時点で的確に見込むことは困難。
   ○運営委員会は存続を求めた上で国や中央競馬への支援を求めるべきとした建議案をまとめたよ
    うだが、知事の評価は。
   ●様々な分野の方が幅広い視点で取りまとめたものと認識している。
    国などに対しては軽種馬産地に立脚した特性や役割について認識・理解を得ることが必要と考
    える。
   ○どのような観点で存廃を判断しようとしているのか、決断の時期はいつなのか。
   ●道財政の危機的状況を十分踏まえ、運営委員会建議や議会議論、道営競馬の役割や見通しを総
    合的に検討し、本年度中に判断する。

(16)地域医療対策について
   ○国は産婦人科や小児科などの医師不足が全国的問題となっていることから、集約化・重点化す
    る方針を打ち出したが、拠点病院が存在しない地域は不安に直結する。
    拠点病院への医師配置の推進と地域の安心を両立させる配慮が必要だ。
   ●地域実情を考慮した医師配置のあり方について検討を進めており、具体的な方策を見い出して
    医療提供体制の整備に努める。
   ○臨床研修医の確保の状況と、定着に向けた道の支援策は。
   ●昨年度より10名多い325名が道内研修に参加するなど成果を挙げていることから、後期研
    修を行なう病院への支援事業や研修医への情報提供に取り組む。

(17)環境問題について
   ○知床世界自然遺産登録により、観光に期待する地元業界や規制強化を懸念する漁業関係者との
    連携のもと「知床ルール」の確立が急がれるが、課題への認識と対処策は。
   ●国や地元業界・漁業関係者との連携で海域管理計画の策定に取り組むとともに、原生的な自然
    にふさわしい利用のルールを確立し、貴重な遺産を今後も保全していく。
   ○循環資源利用促進税の導入にあたり、課税対象事業者の理解を得る作業の進捗状況は。
    課税により焼却処理への転換や不法投棄増加の懸念があるが対処策は。
   ●経済団体等は一定の理解を示しており、道民や関係者の意見反映で一層の理解が得られるよう
    努めている。
    産廃処理にあたり税収を活用したリサイクル技術開発や施設整備の支援策、不法投棄防止のた
    めの啓発や監視指導等の対策を講じる。

(18)石油価格の高騰について
   ○今後も値上がりが予想される中、情報提供や価格安定対策にどう取り組むのか。
   ●関係先に安定供給を要請するほか、引き続き価格や需給動向を調査し公表する。
   ○価格高騰は各産業に与える影響も極めて大きい。
   ●運輸業や水産業界にコスト増が見られるなど影響が懸念されており、経産局や業界団体との連
    携で実態把握に努める。
   ○地域政策補助金メニューに灯油を含めた生活支援事業があるが、道としての対処は。
   ●特別生活資金制度の周知・実施のほか、支援事業による市町村補助を引き続き行なう。

(19)矢臼別での米海兵隊訓練について
   ○道や地元の再三にわたる申入れにも係わらず夜間訓練が拡充の一途をたどっており、国や米軍
    の対応は不誠実極まりない。訓練受入れそのものを拒否する段階だ。
   ●機会ある毎に国に申入れを行なっており、今後も地元の意向が尊重されるよう誠意ある国の対
    応を引き続き求める。

(20)教育課題について
   ○国が実施検討している全国学力テストは全員対象の悉皆テストとなることが強く懸念される。
    ゆとり教育の理念との整合性は。
   ●各学校の特色ある取り組みで、学ぶ意欲や主体的判断力などの育成が学校教育に求められてい
    ると考える。
   ○全国悉皆調査の実施は、点数で児童生徒を評価する傾向の加速、競争原理が学校現場に持ち込
    まれる懸念がある。
   ●具体的な実施方法は更に検討を進めるとしており、中教審部会でも十分な配慮が必要との報告
    が出されているが、今後も国の動向を見極めていく。

(21)道警不正会計処理・裏金問題について
   ○この問題は道警特有のものではなく、全国警察組織に根強く存在するものと考えるが、本部長
    の認識は。
   ●警察事務の執行は都道府県警察に委ねられ、その責任において行なっている。一部で不適正経
    理が認められたからといって、それが全国共通の問題とは考えていない。
   ○使途不明だから返還するが私的流用はない、とした道警の対応が道民からの信頼回復を妨げて
    いる。全容解明に向け再調査を行なう考えはないのか。
   ●可能な限りの調査で実態解明し、関係者の処分や損害額の返還を執っており、改めて調査を行
    なうことは考えていない。
   ○無関係の人を捜査協力者に仕立てた行為に対する民事訴訟で、道は控訴断念・判決が確定し
    た。
    控訴を断念した理由と不法行為の存在が認定されたことに対する所見。当然、原告に改めて
    謝罪すべきである。
   ●司法の判断として重く受け止めており、道警が謝罪を行なうとともに控訴しない判断は妥当と
    考える。(知事)
   ●当時、事実と異なる会計書類を作成したことを斟酌して判断した。
    無断で氏名を使用した方々に対しては道警としてお詫びを表明した。
   ○予算執行システムの抜本的見直しが必要であり、国に対しても求めるべきだ。
    道公安委員会を補佐する組織体制のあり方も、率先して知事が改編すべき。
   ●道公安委員会が求めた改善策の着実な推進が重要。
    各行政委員会は長から独立した権限を持つ執行機関であり、当該委員会の判断を尊重すべきと
    考える。

 <再質問>
(1)介護保険指導について

   ○幹部の裁量によって不正が見逃されているというチェックシステムの見直しに加え、職員の意
    識改革・綱紀粛正など職員倫理の徹底も行なわれるべきだ。
   ●倫理条例の遵守や情報公開制度の適切な運用などで職員の自覚を更に高め、倫理や綱紀の粛正
    を徹底するよう努める。

(2)「財政立て直しプラン」見直しと新年度予算編成について
   ○事業や施策の廃止・縮減を行なう方針とする新年度予算編成に当たっては、議論過程を透明化
    し、痛みを被る道民や市町村にしっかりと説明責任を果たすことが重要。
   ●新行革大綱やプラン見直しに当たっては道民の声を十分勘案するとともに、市町村や関係団体
    に十分説明し理解を得られるよう努める。予算編成過程も引き続きHPを活用し公表する。

(3)新行政改革大綱について
   ○大綱案に記述されている「コンパクト・ガバメント」の具体像は。
   ●執行体制の大胆な見直しで、より簡素で効率的・機動的な道庁改革・めざす姿。

(4)公共事業見直しについて
   ○事業の優先順位、投資規模の選択を道民に示し、道民と絞り込む手法を執るべきだ。
   ●地域実情や意向を十分に踏まえ、施策や事業の優先度を明らかにする重点化プランの基本的方
    針に沿って、事業を絞り込み、重点的・効率的な社会資本整備を図る。

(5)市町村合併について
   ○審議会議論や市町村意見を受け止めながら合併組み合わせ案、合併推進への必要な措置内容を
    検討するとしているが、示される時期の見通しは。
   ●来年度の早い時期に示せるよう努力する。

(6)アスベスト対策について
   ○所在や利用について実態を把握・情報の共有化が求められており、道内においても様々な国の
    機関が参加する関係者会議の開催が急務だ。
   ●より一層連携が図られるよう検討する。
   ○大気汚染防止法の規模要件撤廃に伴い相当数の解体時監視対象の増加が見込まれるが、支庁職
    員による立ち入り検査の強化に、どう対応するのか。
   ●具体的な法の改定内容を見極めながら、実効性ある実施方法について検討する。

(7)農業問題について
   ○米の次期経営安定対策においては、農業者が求める再生産を保証する最低所得補償の仕組み実
    現を、国に求めるべきだ。
   ●地域実情が十分反映された実効性ある仕組みとなるよう国に求めるほか、多様なニーズに応じ
    た生産の推進と地域ブランドの確立などを支援する。
   ○中山間地域等直接支払制度は中山間地域の振興にとって重要な施策であり、市町村の取り組み
    を満たす予算措置とすることを再度要求する。
   ●厳しい財政事情を勘案しながら対象農用地の重点化を図るとともに、国に地財措置の充実を要
    望するなど、制度がめざす趣旨が達成されるよう取り組む。

(8)道警不正会計処理・裏金問題について
   ○地方勤務の経験がある歴代本部長や部長が、道警の組織的・慣行的な予算執行を見抜けず是正
    できなかったのは、全国的共通の実態だからと思われても仕方がない。新本部長の和歌山県警
    本部長経験に鑑み再度、認識と今後に向けた決意を聞く。
   ●予算執行についてはその責任において行なっており、全国警察共通の問題とは考えていない。
    適正かつ効果的で透明性が確保された予算執行に万全を期す。
   ○前本部長が行なった内部調査の結果や監査結果、道議会議論を十分吟味して再調査の必要性を判
    断すべきだ。
   ●経過報告を受け、十分吟味した上で答弁した。改めて調査を行なう考えはない。
   ○裁判の過程で強弁してきた道の主張が、控訴審で一審判決を覆すのは難しいと判断した根拠は
    何か。
   ●道警から、事実と異なる会計書類が作成されたことを斟酌して控訴しないという判断について
    事前説明を受け、妥当と考えた。
   ○監査委員に対して、捜査上の秘密を盾に捜査協力者の存在の有無の真相解明を拒んできた。
    実態を明らかにすべきだ。
   ●調査結果報告書をもって道議会へ報告しており、改めて調査する考えはない。
   ○公安委員会の組織のあり方に関して公安委員会委員と意見交換を行うなどして、組織運営や補
    佐体制について検討・体制整備をし、道警の再生・信頼回復を図る姿勢を明確にすべきだ。
   ●公安委員会から委員会を補佐する組織体制のあり方について具体的申入れがあった場合には、
    適切に対応する。

 <指摘>
(1)衆議院選挙について

   ○郵便ネットワークの維持、住民の利便性確保などの道民の意志を、国に明確に伝えることを求
    める。

(2)職員倫理について
   ○相次いだ介護保険をめぐる事件や道警問題の構造は、幹部の不正・不当な指示に部下が従うと
    いうものであり、再発防止のためにはわが会派が条例として提案している行政公益通報制度に
    よる相互けん制の充実を図ることが必要だ。

(3)道財政・行政システムの見直しについて
   ○行財政改革は、方針の明示と幅広い議論で理解を得、施策を実現するという当たり前のルール
    を大事にしなければ、その目標は達成できないことを心して取り組むべきだ。
   ○三位一体改革について知事は、一部が地方への負担転嫁の手段にされているとの認識を示した
    が、道の行財政改革の取り組みについても、財政再建を理由に市町村に安易な負担転嫁はしな
    いと理解する。
   ○行政基本条例の見直しに極めて消極的な対応。検証・検討に速やかに着手すべきだ。

(4)市町村への事務・権限移譲について
   ○市町村の対応も合併への道の関与と同様に大きな開きがある。
    道の都合の一方的な押し付けとならないよう作業を進めるべき。

(5)アスベスト対策について
   ○今後50年間は続くといわれる問題であり、道による対策条例が必要だ。
   ○対策が現在進行形であることは理解するが、国の対応を待つのみならず道としてできる限りの
    手段を尽くすべきだ。

(6)地域医療対策について
   ○臨床研修終了の医師の道内定着対策を含め、医育大学や市町村と連携した取り組みの成果を期
    待する。

(7)石油価格の高騰について
   ○冬期暖房で石油に頼る道民に不安は広がっており、国に価格安定策を求めることや価格情報の
    迅速な提供を求める。
    産業への影響について、事態の推移によっては制度融資活用などの手段を講じるよう求める。

(8)学力テストについて
   ○教育長は学校間の序列や過度な競争につながらないよう十分な配慮が必要との認識を示した
    が、国に対してこの旨の申入れを行なうなど、十分な対応を求める。

(9)道警不正会計・裏金問題について
   ○前例のない不祥事であり、道民の信頼回復に対する積極的な取り組みと信頼回復にかける見識
    を随所で明確に示すべき。
   ○私的流用疑惑が解明されていない以上、再調査要求と疑惑解明の追及の手は緩めない。
   ○民事訴訟の書面は必ず目を通し決済したとの答弁だったが、裁判官から「特異な見解」と指弾さ
    れた部分の判断には関与していないとした再答弁は、結局知事自身が全ての問題に対して他人
    任せであったことを露呈したものだ。
   ○公安委員会の体制整備と運営のあり方に、積極的なアプローチと迅速な対応を強く求める。

 

4 委員会における主な質疑

(1)常任委員会・特別委員会(7月〜10月)
   ○総務委員会では、私(沢岡信広(北広島市))が8月2日に、(仮称)北海道循環資源利用促
    進税の導入について、道警裏金問題について質疑。
   ○総合企画委員会では、佐野法充(札幌市豊平区)議員が8月2日に、道警不正会計処理・裏金
    問題について質疑。
   ○環境生活委員会では、三井あき子(旭川市)議員が8月2日に、消費者相談体制について、ア
    スベスト問題への対応について質疑、平出陽子(函館市)が10月6日に、北の縄文文化回廊
    づくりについて質疑。
   ○保健福祉委員会では、林大紀(札幌市南区)議員が8月2日に、アスベスト問題について質
    疑、須田靖子(札幌市手稲区)が10月6日に、付託議案第4号「北海道国民健康保険調整交
    付金の交付に関する条例案」について質疑。
   ○経済委員会では、木村峰行(旭川市)議員が8月2日に、「ほっかいどう産業活性化プログラ
    ム」の平成16年度取り組み結果(中間報告)について質疑、
   ○農政委員会では、北準一(空知支庁)議員が8月2日に、酪農・畜産等の自給飼料対策につい
    て、9月12日に、中山間直接支払制度について質疑。
   ○水産林務委員会では、福@賢孝(檜山支庁)議員が10月6日に、燃油高騰問題について質
    疑。
   ○産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会では、北準一(空知支庁)議員が7月13日
    に、泊発電所に係る情報流出について質疑、星野高志(札幌市東区)議員が8月3日に、本道
    におけるエネルギー需給等について質疑。
   ○道州制問題等調査特別委員会では、鰹谷忠(網走市)議員が10月6日に、三位一体改革につ
    いて、滝口信喜(室蘭市)議員が10月6日に、三位一体改革について質疑。
   ○食と観光対策特別委員会では、保村啓二(網走支庁)議員が9月12日に、知床の観光振興に
    ついて質疑。

(2)第三回定例会予算特別委員会
 第3定例会予算特別委員会は、9月30日〜10月5日に開かれた。
 第1分科会で、私(沢岡信広(北広島市))が道警不正会計処理・改善プログラムについて、道債について、基金の活用について、人件費について、林大記(札幌市南区)議員が介護保険制度の改正について、ダイオキシン対策について、道財政立て直しプランについて、行政改革大綱について、福原賢孝(檜山支庁)議員がアスベスト対策について、国直轄事業負担金制度について、道州制について、支庁制度改革について、小谷毎彦(北見市)議員が消費生活相談について、ちほく高原鉄道について、道債等の金利について、

 第2分科会(蝦名清悦委員長)で、木村峰行(旭川市)議員が土砂災害防止について、水防法改正に伴う取り組みについて、遺伝子組換え作物栽培規制について、平出陽子(函館市)議員が木質ペレットの活用について、埋蔵文化財の保存・展示と活用について、須田靖子(札幌市手稲区)議員がコールセンターにおける労働条件について、池田隆一(小樽市)議員が学校施設等のアスベスト対策について、特別支援教育について、それぞれ質疑した。

 総括質疑では、私が知事総括に保留した「道債について」、「人件費について」を含めて、林議員が道の財政運営、行政改革について、知事に質した。

 <附帯意見>
1.「財政立て直しプラン」の見直しと「行政改革大綱」の策定に当たり、いまだに数値目標と具体的
  な対策が定まっていないことは、極めて遺憾である。
  目標と対策を具体化し、来年度予算編成に取り組むべきである。
1.行政コストの削減に当たっては、徹底した給与の適正化や組織・事業などの思い切った見直しを、
  行政改革大綱に位置づけ、全庁一丸となって取り組むべきである。
1.道営競馬事業については、北海道地方競馬運営委員会からの「建議」や、道財政が大変厳しい状況
  下にあることを踏まえ、道民の理解が得られるよう、収支改善の可能性や、産地、中央競馬会の協
  力体制を見きわめた上で、総合的な視点に立って判断を下すべきである。

 

6 当面する課題と会派の対応

(1)財政問題、新たな行政改革大綱について
 道は、4月に、知事を本部長とする「行財政構造改革推進本部」を設置、この本部で、新たな道行政構造改革大綱の策定と、「道財政立て直しプラン」の見直し作業を一連のものとして協議している。

 国、地方とも膨大な借金を抱え込み、財政再建が急務であるとの認識は、わが会派も共有するが、国が地方や国民に、そして道が市町村や道民に、一方的に「痛み」を押し付けるような今の進め方には、大きな不信を抱いている。

 道の説明では、赤字再建団体転落回避のため、18〜19年度の2年間で、1,800億円を歳出削減努力で捻出する必要があるとする。1,800億円は、17年度道予算の一般財源の20%に相当する規模。しかも、この財源不足額は国の地方財政対策の推移などによって、さらに拡大する可能性をはらんでいる。

 例えば、アスベスト対策や国が加速させようとしている耐震化対策といった事項の地方負担のあり方の決着ひとつで、地方財政の根底は揺らぎかねない。

 新たな行政改革大綱は、道財政の厳しさを背景に、「コスト構造改革の推進」を基本にするとされ、今年度から18年度までの10年間という長期間の道の行財政運営を、「縮減・削減・住民負担増一辺倒」で、縛っていくものになる可能性が強い。

 今定例会での論議でも、わが会派は、施策・予算の見直しにあたって、「抑制するもの維持するもの、増額するものの優先順位がおのずと付されるべきであり、最低限、道民の健康や暮らしに関わるものは、最後の最後にすべき」との姿勢を主張したが、道側は、「施策全般にわたって、より“選択と集中”の視点に立った、聖域なき見直しを徹底する」として、削減一辺倒の姿勢を崩さなかった。

 膨大な地方債の償還の裏付け、直轄交付金の廃止・縮減などを巡って、国と行うべき根幹的な論議を避け、とめどなく圧縮される歳入に、歳出のつじつまを合わせる財政運営が続いている。

 この、つじつま合わせの結果として、昨年8月の「財政立て直しプラン」確定の前から医療費助成の縮減・廃止等が、行われ、今定例会では、中山間地域直接支払いでの道負担を当初予算の範囲内に抑えるとの方針が明らかになった。

膨大な歳入不足への対処のために、道民や市町村への一方的なしわ寄せが加速される懸念が、ますます強まっている。

  新行革大綱の具体的な内容や、「財政立て直しプラン」見直しは、11月末以降になるとされた。痛みを強いられることになる、道民との合意の形成や、市町村とのていねいな協議などを求めながら、今後の論議を重ねていく。

(2)「北海道における自治のすがた」について
 地方分権をめぐっての、道の取り組みは、道州制や「三位一体改革」、市町村合併、支庁改革や市町村への事務権限移譲を含む道庁組織自体の改革、そして、地域のすがたに密接に関わる福祉医療や地域交通、高校の適正配置などの教育といった課題について、完全な縦割り、相互連携が不十分なまま進んでいる実態にある。

 例えば、7月に「市町村合併推進審議会」が設置され、6月には「道州制推進道民会議」が初会合を開き、市町村長代表が構成メンバーの「自治のかたち円卓会議」も引き続き置かれている。
加えて、9月末には「北海道地方分権推進連盟」が設立された。

 ところが、残念なことには各組織とも、「ご意見拝聴の場」の位置付けにとどまっている。条例に基づく、「市町村合併推進協議会」ですらが、そうした性格だ。

 道州制への取り組みが事実上、とん挫状態なのに、道州制移行を前提とした、市町村への大規模な事務・権限移譲を進めようとし、さらに、移譲の実施を前提とする支庁制度改革を、推し進めようとしている、道の姿勢には、市町村から疑問も呈されている。
加えて、合併については、国の合併強制路線に沿う形での、推進路線を取ることへの懸念
も強い。

 国の姿、地域の姿の明確なビジョンを描くことを棚上げしたままで、地方分権の論議が国や道の財政再建の手段に押し込められようとしている。

 財政危機論だけを背景とする、縦割り、バラバラな、取り組みであってはならない。
また、住民の暮らしや自治体の果たすべき役割についての、道民や市町村との協議・合意抜きに進むことがあっては、国や道と、道民や市町村との間に、ますます大きな溝を生じることが危惧される。

 道が道民や市町村と手を携え、国に実現を迫るべき「北海道の自治のすがた」の構築に、今後も取り組んでいく。

(3)道警不正会計処理問題について
 第2回定例会後に、警察庁は、道警本部長、道警警務部長の人事異動を行った。

 道警不正会計処理・裏金問題の発覚依頼、その対応の最高責任者であった前本部長、不正を認めざるを得なくなって以降の対応をしてきた前警務部長の交代は、警察庁、道警本部の問題への一方的な“幕引き姿勢”の一環と言うべきものだ。
しかし、道民が抱いている疑惑、不信は解明されたわけではない。

 今定例会では、この幹部人事を踏まえて、新本部長に、
@ 警察の不正会計・裏金問題が全国的であることの認識と各都道府県警察本部での捜査費・報償費の
  執行実態についての認識
A 今後の改めての調査への対応
B 旭川地裁での裁判で架空であることが確定した捜査協力者への謝罪、賠償への対応
C 公安委員会に対する通報制度
D 財務アドバイザーによる現場警察官との意見交換と改善アドバイスのあり方などを質したが、基本
  的には、前任者の答弁の繰り返しにとどまった。

 「道警不正問題を徹底解明し信頼回復を求める道民の会」が、問題の徹底解明のために道議会での百条委員会設置を求める道民署名運動を、第4回定例会を目指して、展開しており、こうした活動と連携して、問題の徹底解明、警察行政・道政の信頼回復に取り組んでいかねばならない。
 

(4)会派役員について
 会派の議員会長だった、佐々木隆博(上川支庁)議員が、衆議院議員選挙出馬のため議員を辞職(=北海道6区で当選)。これに伴い、後任の議員会長に、段坂繁美(札幌市中央区)議員が就任した。
なお、佐々木議員の辞職により、会派所属議員数は34人となった。